2022.11.14

広島県の公立高校入試の「自己表現」って?書き方の例もご紹介!

令和5年度から広島県の公立高校入試制度が変わります。新たに導入されるのが「自己表現」。簡単に言うと面談形式の試験です。学力検査・調査書・自己表現の3つの得点によって合否が決められます(※独自検査を実施する学校もある)。

今回は、自己表現の詳細や書き方についてご紹介していきます。

 

広島県教育委員会の自己表現に関するHPはこちら

 

広島県の公立高校入試で導入される「自己表現」とは?

自己表現について、概要・流れ・ルールや禁止事項についてご紹介していきます。

 

自己表現とはこんな入試制度

◆ 受験者1人に対し、検査官2~3人の面談形式
◆ 一次選抜の1日目に各会場で自己表現カードを作成し提出する
◆ 表現カードに書く内容は、得意なことやこれまで取り組んできたこと、高校で頑張りたいことなど
◆ 表現カードの作成時間は30分
◆ 自己表現は5分以内、質疑応答3分以内、トータル10分以内の面談
◆ 自己表現カードに書かれた内容は評価されない

自己表現

 

自己表現のルールや禁止事項

自己表現では、表現に必要な物品の持ち込みは許可されています。しかし、大きな音が出るものや、場所をとるような大きいものや重いものは会場の迷惑になるのでやめましょう。安全面に配慮して持ち込んでください。以下の点が注意事項です。
◆ 自己表現は自分1人で準備・実施できる物品・方法のみ
◆ 物品の持ち込み可能(タブレットなど)
◆ 会場内ではICT機器はオフライン状態でしか使用できない
◆ 動画や音声をタブレットなどで流すときは30秒以内
◆ 持ち込んで見せるプレゼンの資料は自分で作成すること
◆ 黒板・コンセント・プロジェクター・スクリーンなど、検査場の備品は使用できない

 

評価の在り方

自己表現の評価は次のような評価表をもとに行われます。
以下の3つの観点で評価され、それぞれ4点を基準にさらに良い場合は5点、基準に満たない場合は3点となります。満点は5点×3観点の15点です。
自己を認識する力 自分の人生を選択する力 表現する力
5点:十分にできている
4点:おおむね満足
3点:努力を要する

①「自己を認識する力」…自分がどんな人間なのか、自分の長所・得意なこと・性格など、自分について理解できているか
②「自分の人生を選択する力」…自分の夢・目標、将来について自分で考え、選択・決定できるような意思があるか
③「表現する力」…自分自身や自分の思い・考えを相手にわかりやすく伝える力があるか
※言葉の使い方・表現の仕方・相手に伝えようとする意欲などに注意

 

広島県の15歳の生徒に身に付けておいてもらいたい力

「自己を認識する力」「自分の人生を選択する力」「表現する力」の3つの観点が評価される理由について知っておきましょう。実はこの3つの観点は、「広島県の15歳の生徒に身に付けておいてもらいたい力」とリンクしています。この観点が重視されている理由は、子どもたちが将来自分で考え、答えを導き出し、自己実現をしていってほしいと考えているからです。

ですが、中学生のみなさんのとっては3つの観点と言われてもあまりピンと来ないかもしれませんね。力を伸ばしていくために、具体的にこんなことを試してみてください。

◆ 自分を見つめ、長所・短所、得意・不得意などを知ろうとしたり、理解したりする
◆ 自己理解を通して、自分の興味関心・将来について考えてみる
◆ 勉強・部活動・行事など、何事にも目標を持ち、その目標を達成するために計画的に努力を続ける
◆ 身近な話題からニュースの話題まで、見聞きしたことに自分の意見や感想を持ち、理由とともに説明ができる

自分がどんな人間か知るのは簡単なことではありませんよね。面談の練習に臨む前に、自身のことについて紙に書き出してみたり、家族や友人に尋ねてみたりするのもいいでしょう。

 

自己表現カードの書き方

自己表現カードの書き方についてご紹介していきます。
おそらく多くの受験生は、試験当日までに何度も書く練習をして、当日のカード作成に臨むでしょう。30分以内に書き上げないといけないので、書きたい内容を厳選しておきましょう。また、きれいな字で、漢字のミスなどがないように練習しておくことは必須です。

 

自己表現カードに書く内容

自己表現のカードに書いた内容自体は評価に入りません。しかし、そのカードを見て検査官から質問が行われます。質問をされたり、深堀されたりしても返答できる自信があるトピックを選ぶようにしましょう。いくつか例を紹介します。

◆ 生徒会・委員会活動
◆ 行事などで自分が頑張ったこと・活躍したこと
◆ 部活動(学校外の習い事なども含む)での役割や自分が頑張ったこと
◆ 書道・絵画・作文などのコンクール、検定での実績
◆ 自分の興味関心があることや趣味
◆ 高校で頑張りたいと思っていること
◆ 将来の夢

 

自己表現の書き方例

自己表現カードは30分以内で書き上げるため、そんなにたくさんの情報を書けるわけではありません。作成するときは次の点に気を付けてください。
◆ トピックをたくさん盛り込むよりも、1~3つ程度のトピックにしぼり、まとまりのある文にする
◆ あなたの気持ちや考え、人柄が伝わる内容を入れる
◆ 抽象的な内容ではなく、聞き手に伝わるように具体的なエピソードなどを入れる(質疑応答があるので、長々書く必要はない)

次の例では2つのトピックで書いてみた例文です。
<例>
①中学校生活の部活で頑張ったこと・そこから学んだこと
私は中学校では○○部に所属しており、部長を務めました。○○大会では○位になることができました。私たちのチームは3年生の人数は少なかったですが、それぞれが責任感を持ちチームを引っ張ることができました。また、部長として部員への前向きな声かけをするように努めました。「楽しく一生懸命に練習すること」が目標だったので、辛いメニューでもポジティブな声を掛け合って練習に取り組みました。一人では不可能なことも協力したり、励まし合ったりすることで乗り越えられることを学びました。
②高校生活で頑張りたいこと+将来の夢
高校では部活だけでなく、勉強も頑張りたいと思っています。理由は、将来○○になりたいと考えているからです。○○高校は○○コースがあり、○○の学習に力を入れておられるので、将来の夢に向かってより実践的な力をつけることができると考えています。…

 

自己表現で自分をよりよくアピールするために大切なこと

自己表現のカードは事前に何度も練習すればしっかり書くことができると思います。しかし、何よりも大切なのは表現の方法です。あなたのことを効果的に、よりよく伝えるために次のポイントを大切にしてください。

 

内容だけでなく発表する態度も重要

次のような態度で受験できるようにしましょう。
◆ ハキハキと聴き取りやすい声で話す
◆ 表現するときや質疑応答のときは、意見+理由をセットにし、わかりやすく話す
◆ 検査官の方を見てアイコンタクトしながら自己表現する
◆ 服装の身だしなみを整えておく

面接が得意・不得意関係なく、面接に向けてしっかり準備してきた人は検査官にはすぐわかります。準備するというのは一言一句暗記してくることではありません。
①自分が話したいポイントをまとめておくこと、②質問を予測してそれに対する答えをいくつか用意しておくこと、③相手に伝わりやすい話し方ができるように練習しておきことを指します。本番に向けて何度も練習しておきましょう。

 

ICT機器は効果的に使おう!

学校で1人1台タブレットを持っているため、自己表現でもそのタブレットを使用する受験生も多いでしょう。しかし、ICT機器を使う際は、次の点に気を付けてください。
◆ プレゼン資料は基本的に写真・映像などの相手に見せるもの中心にし、文字は最小限に
◆ 資料はたくさん準備しすぎず、必要なものだけを厳選しておく
検査官はあなた自身のことについて知りたいのです。例えば、プレゼン資料に文字や写真がたくさんあれば、あなたの言葉というよりもそれを見せただけ、読んだだけのように感じられます。見せたい資料を厳選して、あとはあなたの言葉で補足や説明をしてください。

 

グランアシストのでは自己表現対策講座を実施

グランアシストでは11月~12月の間に全5回の「自己表現対策講座」を実施しています。ここでは、自己表現の内容の作成をはじめ、発表の仕方や質疑応答の練習をします。また、内容や発表についてのフィードバックも行うので、回数を重ねるごとにどんどん発表が得意になりますよ。
自己表現は今年初めての入試制度なので、誰もが不安だと思います。しっかり対策して自信をもって本番に臨みましょう。

グランアシストの冬期講習の案内はこちら